あなたが持っている貯金が他人と比べてどれくらいなのか、また、老後の財源についての不安感はありませんか?28歳という時期になると、自分の財務状態について真剣に見つめ直す人が多いかもしれません。そこで、今回私たちは「28歳での貯金50万円は適切?それとも不足?」という問題に焦点を当ててみます。
28歳で50万円の貯金は少なすぎる?平均的な貯金額は?
さて、28歳の平均的な貯金額を探ってみましょう。それはただの「平均」で、貯金額は生活様式、給料、借金の有無、地域、個々の目標など、多くの要素で変化します。
28歳で単身(独身)生活の場合
金融広報中央委員会の調査では、20代の単身(独身)者の平均貯金額が176万円であるとされています。これを基準にすると、50万円の貯金は-126万円の差があり、これを平均値より少ないとみなすことができます。
中央値との対比
ただし、平均値は一部の貯金が大きい人によって引き上げられる可能性があります。より現実的な指標として中央値が20万円となっています。この基準に基づいて見ると、貯金50万円は30万円の差となり、これは平均値より多いと評価できます。
28歳で二人以上の家庭の場合
金融広報中央委員会の調査により、20代の二人以上の世帯の平均貯金額が214万円となっています。これを基準にすれば、貯金50万円は-164万円の差があり、それは中央値より少ないと評価できます。
中央値と比較すると
しかし、平均値は一部の非常に貯蓄額の多い人々の影響を受けているため、偏りが生じてしまいます。現実に近い指標とされる中央値は44万円とされています。この値を基準にすると、貯金50万円の差額は6万円となり、それは中央値に近いと言えます。
年代別の平均貯金額
それではさらに広い視野で、日本の年代別平均貯金額を見てみましょう。
世帯 | 独身世帯 | 二人以上世帯 | ||
---|---|---|---|---|
平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | |
全国 | 871万円 | 100万円 | 1,291万円 | 400万円 |
20歳代 | 176万円 | 20万円 | 214万円 | 44万円 |
30歳代 | 494万円 | 75万円 | 526万円 | 200万円 |
40歳代 | 657万円 | 53万円 | 825万円 | 250万円 |
50歳代 | 1,048万円 | 53万円 | 1,253万円 | 350万円 |
60歳代 | 1,388万円 | 300万円 | 1,819万円 | 700万円 |
70歳代 | 1,433万円 | 485万円 | 1,905万円 | 800万円 |
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(単身世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(二人以上世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
老後の資金として準備すべき貯金額
以前、「老後には2,000万円が必要」という問題が注目されました。老後の資金準備について不安を感じる方は多いかと思います。60歳以降に必要とされる資金は様々な要素によって変動しますが、単身者であれば1,000万円、夫婦であれば2,000万円が目安と考えられます。
28歳貯蓄50万円の場合の老後資金準備
現在、28歳で貯蓄50万円の場合、60歳まで月にどの程度貯金が必要か試算してみましょう。
28歳独身(単身)の場合
独身の場合、60歳までに必要な老後資金を1,000万円とすると、不足額は950万円。均等額貯金していくとすると、60歳までの32年間で年29.7万円、月2.5万円の貯蓄が目安になります。
28歳2人世帯の場合
夫婦2人世帯の場合、60歳までに必要な老後資金を2,000万円とすると、不足額は1950万円。均等額貯金していくとすると、60歳までの32年間で年60.9万円、月5.1万円の貯蓄が目安になります。
28歳、貯金50万円の老後資金についての考え方
ここで挙げた数字は最適な状況を示すもので、将来の収入や支出、インフレなどを勘案すれば、更に貯蓄を増やしたり、60歳を越えても就労し、収入を得る必要があるかもしれません。
貯金を増やす一方で、単に節約して積み立てるだけでなく、投資を通じて資産を増やすことも視野に入れると良いでしょう。ただし、投資にはリスクが伴うので、慎重に進める必要があります。
以上が28歳で貯金50万円のあなたが老後までにどれだけの貯金が望ましいかについての解説です。皆様の資産構築の一助になれば幸いです。