自身の貯金が他人と比べて多いのか、少ないのか気になることはありませんか?あるいは、老後の生活資金について不安を感じることは?29歳という年齢になると、自分の財務状況について深く思い悩む人も多いかもしれません。今回は、「29歳の貯金1000万円は足りているのか、それとも足りないのか?」というテーマについて見ていきたいと思います。
29歳で1000万円の貯金は少ない?それとも平均的?
まず、29歳の平均的な貯金額を確認してみましょう。しかし、これはあくまでも「平均」です。貯金額は生活習慣、収入、負債の有無、地方差、個々の貯金目標など、さまざまな要素により変動します。
29歳で一人暮らし(独身)のケース
金融広報中央委員会の調査結果によれば、20代の単身(独身)者の平均貯金は176万円と推定されています。この基準に基づくと、1000万円の貯金は824万円の差があり、これは平均値より多いといえるでしょう。
中央値で見ると
ただし、平均値は一部の非常に多くの貯金を持つ人々によって高まる傾向があります。より具体的な指標である中央値は20万円です。この値を基準にすると、1000万円の貯金は980万円の差があり、それは平均値より多いと判断できます。
29歳で2人以上の家庭の場合
金融広報中央委員会の調査によると、20代の2人以上の世帯の平均貯金額は214万円となっています。この数値を基にした場合、貯金1000万円の差額は786万円となり、それは中央値より多いといえるでしょう。
中央値との比較
しかし、平均値は一部の極端に高い貯蓄額を持つ個人によって引き上げられる可能性があります。実態をより正確に反映する中央値は44万円となっています。この数値を基準にすると、貯金1000万円の差額は956万円となり、これは中央値より多いと評価されます。
年代別の平均貯金額
それではさらに広い視野で、日本の年代別平均貯金額を見てみましょう。
世帯 | 独身世帯 | 二人以上世帯 | ||
---|---|---|---|---|
平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | |
全国 | 871万円 | 100万円 | 1,291万円 | 400万円 |
20歳代 | 176万円 | 20万円 | 214万円 | 44万円 |
30歳代 | 494万円 | 75万円 | 526万円 | 200万円 |
40歳代 | 657万円 | 53万円 | 825万円 | 250万円 |
50歳代 | 1,048万円 | 53万円 | 1,253万円 | 350万円 |
60歳代 | 1,388万円 | 300万円 | 1,819万円 | 700万円 |
70歳代 | 1,433万円 | 485万円 | 1,905万円 | 800万円 |
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(単身世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(二人以上世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
老後に求められる貯蓄額
「老後に2,000万円が必要」という議論が一時期盛んになりました。多くの人が老後の資金不足について不安を感じているでしょう。60歳以上で必要な老後の資金は、各個人の状況によって異なりますが、単身者では1,000万円、夫婦では2,000万円が一つの指標となるでしょう。
29歳貯蓄1000万円の場合の老後資金準備
現在、29歳で貯蓄1000万円の場合、60歳まで月にどの程度貯金が必要か試算してみましょう。
29歳独身(単身)の場合
独身の場合、60歳までに必要な老後資金を1,000万円とすると、不足額は0万円。均等額貯金していくとすると、60歳までの31年間で年0万円、月0万円の貯蓄が目安になります。
29歳2人世帯の場合
夫婦2人世帯の場合、60歳までに必要な老後資金を2,000万円とすると、不足額は1000万円。均等額貯金していくとすると、60歳までの31年間で年32.3万円、月2.7万円の貯蓄が目安になります。
29歳、貯金1000万円の老後資金についての考え方
ここで挙げた数字は最適な状況を示すもので、将来の収入や支出、インフレなどを勘案すれば、更に貯蓄を増やしたり、60歳を越えても就労し、収入を得る必要があるかもしれません。
貯金を増やす一方で、単に節約して積み立てるだけでなく、投資を通じて資産を増やすことも視野に入れると良いでしょう。ただし、投資にはリスクが伴うので、慎重に進める必要があります。
以上が29歳で貯金1000万円のあなたが老後までにどれだけの貯金が望ましいかについての解説です。皆様の資産構築の一助になれば幸いです。