あなたが持っている貯金が他人と比べてどれくらいなのか、また、老後の財源についての不安感はありませんか?32歳という時期になると、自分の財務状態について真剣に見つめ直す人が多いかもしれません。そこで、今回私たちは「32歳での貯金250万円は適切?それとも不足?」という問題に焦点を当ててみます。
32歳で貯金250万円は少ない?平均は?
32歳の平均貯金額を見てみましょう。あくまで「平均」であり、貯金額は生活スタイル、給与、借金の有無、地域、個々の目標など、多くの要素によって左右されます。
32歳で一人暮らし(独身)のケース
金融広報中央委員会の調査結果によれば、30代の単身(独身)者の平均貯金は494万円と推定されています。この基準に基づくと、250万円の貯金は-244万円の差があり、これは平均値より少ないといえるでしょう。
中央値で見ると
ただし、平均値は一部の非常に多くの貯金を持つ人々によって高まる傾向があります。より具体的な指標である中央値は75万円です。この値を基準にすると、250万円の貯金は175万円の差があり、それは平均値より多いと判断できます。
32歳で二人以上の家庭の場合
金融広報中央委員会の調査により、30代の二人以上の世帯の平均貯金額が526万円となっています。これを基準にすれば、貯金250万円は-276万円の差があり、それは中央値より少ないと評価できます。
中央値と比較すると
しかし、平均値は一部の非常に貯蓄額の多い人々の影響を受けているため、偏りが生じてしまいます。現実に近い指標とされる中央値は200万円とされています。この値を基準にすると、貯金250万円の差額は50万円となり、それは中央値より多いと言えます。
年代別の平均貯金額
それではさらに広い視野で、日本の年代別平均貯金額を見てみましょう。
世帯 | 独身世帯 | 二人以上世帯 | ||
---|---|---|---|---|
平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | |
全国 | 871万円 | 100万円 | 1,291万円 | 400万円 |
20歳代 | 176万円 | 20万円 | 214万円 | 44万円 |
30歳代 | 494万円 | 75万円 | 526万円 | 200万円 |
40歳代 | 657万円 | 53万円 | 825万円 | 250万円 |
50歳代 | 1,048万円 | 53万円 | 1,253万円 | 350万円 |
60歳代 | 1,388万円 | 300万円 | 1,819万円 | 700万円 |
70歳代 | 1,433万円 | 485万円 | 1,905万円 | 800万円 |
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(単身世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(二人以上世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
老後の生活費として必要な貯蓄額
以前、「老後に2,000万円が必要」という問題が話題になりました。多くの人が老後の資金について不安を抱いていることでしょう。60歳以降に必要となる老後資金は、多くの要素によって変わりますが、単身者は1,000万円、夫婦は2,000万円が一つのガイドラインと言えます。
32歳で250万円を持っている場合の老後の資金計画
現在、32歳で250万円を蓄えている場合、60歳までに必要な貯蓄額を見積もりましょう。
32歳で独身(単身)の場合
もし独身の場合、60歳までに必要とされる老後資金は約1,000万円とします。これによると、不足する金額は750万円です。この金額を等分して蓄えていくとすれば、60歳までの28年間で年に26.8万円、月に2.2万円の貯蓄が目安となります。
32歳で2人世帯の場合
2人世帯の場合、60歳までに必要とされる老後資金は約2,000万円とします。この場合、不足額は1750万円となります。この金額を等分して蓄えていくとすれば、60歳までの28年間で年に62.5万円、月に5.2万円の貯蓄が目安となります。
32歳で貯金250万円、それに対する老後資金の取り組み
ここまで述べた数値はあくまで理想的なもので、将来の収入や出費、インフレなどを考慮に入れると、貯蓄をさらに増やす、あるいは60歳を超えても仕事を続けて収入を得る必要があるかもしれません。
貯蓄を増やす方法としては、ただ節約して積み立てるだけでなく、投資を通じて資産を増やすことも視野に入れると良いでしょう。ただし、投資にはリスクも伴うので、注意深く行うことが必要です。
以上が32歳で250万円のあなたが老後にどれくらいの貯蓄をするべきかについての考察です。これが皆さんの資産形成の一助となれば嬉しいです。