自分の貯金が他の人と比べて多いのか少ないのか、気になったことはありませんか?また、老後の資金について心配になることはありませんか?35歳の時期に、自分の財政状況について真剣に考えることが増えるかもしれません。そこで今回、私たちは「35歳での貯金350万円は十分か、それとも不十分か?」という問題について考察します。
35歳で貯金350万円は少ない?平均は?
35歳の平均貯金額を見てみましょう。あくまで「平均」であり、貯金額は生活スタイル、給与、借金の有無、地域、個々の目標など、多くの要素によって左右されます。
35歳独身(単身)の場合
金融広報中央委員会の調査によれば、30代単身(独身)の貯金平均値は494万円とされています。この数字を基準に考えると、貯金350万円との差額は-144万円となり、平均値より少ないと言えます。
中央値と比べると
しかし、平均値は一部の極端に貯蓄が多い個人に影響を受けて多い方に偏ってしまいます。より実態がつかみやすい中央値は75万とされています。この数字を基準に考えると、貯金350万円との差額は275万円となり、平均値より多いと言えます。
35歳で2人以上の家庭の場合
金融広報中央委員会の調査によると、30代の2人以上の世帯の平均貯金額は526万円となっています。この数値を基にした場合、貯金350万円の差額は-176万円となり、それは中央値より少ないといえるでしょう。
中央値との比較
しかし、平均値は一部の極端に高い貯蓄額を持つ個人によって引き上げられる可能性があります。実態をより正確に反映する中央値は200万円となっています。この数値を基準にすると、貯金350万円の差額は150万円となり、これは中央値より多いと評価されます。
年代別の平均貯金額
それではさらに広い視野で、日本の年代別平均貯金額を見てみましょう。
世帯 | 独身世帯 | 二人以上世帯 | ||
---|---|---|---|---|
平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | |
全国 | 871万円 | 100万円 | 1,291万円 | 400万円 |
20歳代 | 176万円 | 20万円 | 214万円 | 44万円 |
30歳代 | 494万円 | 75万円 | 526万円 | 200万円 |
40歳代 | 657万円 | 53万円 | 825万円 | 250万円 |
50歳代 | 1,048万円 | 53万円 | 1,253万円 | 350万円 |
60歳代 | 1,388万円 | 300万円 | 1,819万円 | 700万円 |
70歳代 | 1,433万円 | 485万円 | 1,905万円 | 800万円 |
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(単身世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(二人以上世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
老後の資金として準備すべき貯金額
以前、「老後には2,000万円が必要」という問題が注目されました。老後の資金準備について不安を感じる方は多いかと思います。60歳以降に必要とされる資金は様々な要素によって変動しますが、単身者であれば1,000万円、夫婦であれば2,000万円が目安と考えられます。
35歳で350万円を蓄えた老後の資金計画
35歳で350万円を保有している場合、60歳までに必要な貯蓄額を見積もってみましょう。
35歳で独身の場合
独身であれば、60歳までに約1,000万円の老後資金を目安とします。これに基づき、不足分は650万円となります。均等に貯蓄することを想定した場合、60歳までの25年間で年に26万円、月に2.2万円を蓄えることが目標となります。
35歳で2人世帯の場合
2人世帯であれば、60歳までに2,000万円の老後資金を目安とします。これに基づくと、不足額は1650万円となります。均等に貯蓄することを想定した場合、60歳までの25年間で年に66万円、月に5.5万円を蓄えることが目標となります。
35歳で貯金350万円、その老後資金の視点
ここまでの数字はあくまで理想的なもので、将来の収入や支出、インフレなどを考慮に入れると、もっと貯蓄を増やすか、60歳を超えても仕事を続けて収入を得ることが求められるかもしれません。
貯蓄を増やすための策として、ただ貯金を蓄えるだけでなく、投資を通じて資産を拡大することも考慮すべきです。しかし、投資はリスクも伴いますので、慎重に行うべきです。
以上が35歳で貯金350万円のあなたが考慮すべき老後の貯金の量についての解説です。これが皆さんの資産計画の参考になれば幸いです。