あなたが持つ貯金が他人と比べてどれほどなのか、また、老後の資金に対する不安はありませんか?38歳という歳に達すると、財務状況を深く検討することが増えるかもしれません。今回は、「38歳で貯金が300万円は多いのか、それとも少ないのか?」というテーマを深く追求していきます。
38歳で300万円の貯金は不十分?平均値は?
始めに、38歳の平均的な貯金額に目を向けてみましょう。だけど、これはあくまで「平均」で、貯金額はライフスタイル、給与、債務の有無、地域差、個別の目標などによって大きく変動します。
38歳独身(単身)の場合
金融広報中央委員会の調査によれば、30代単身(独身)の貯金平均値は494万円とされています。この数字を基準に考えると、貯金300万円との差額は-194万円となり、平均値より少ないと言えます。
中央値と比べると
しかし、平均値は一部の極端に貯蓄が多い個人に影響を受けて多い方に偏ってしまいます。より実態がつかみやすい中央値は75万とされています。この数字を基準に考えると、貯金300万円との差額は225万円となり、平均値より多いと言えます。
38歳で二人以上の世帯の状況
金融広報中央委員会の調査結果によると、30代の二人以上の世帯の平均貯金額は526万円です。この基準を用いると、貯金300万円は-226万円の差となり、これを中央値より少ないと判断できます。
中央値との比較
だが、平均値は極端に多く貯蓄を持つ一部の人々によって偏る傾向があります。よりリアルな指標である中央値は200万円となっています。この値を基に考えると、貯金300万円の差額は100万円となり、これは中央値より多いと解釈されます。
年代別の平均貯金額
それではさらに広い視野で、日本の年代別平均貯金額を見てみましょう。
世帯 | 独身世帯 | 二人以上世帯 | ||
---|---|---|---|---|
平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | |
全国 | 871万円 | 100万円 | 1,291万円 | 400万円 |
20歳代 | 176万円 | 20万円 | 214万円 | 44万円 |
30歳代 | 494万円 | 75万円 | 526万円 | 200万円 |
40歳代 | 657万円 | 53万円 | 825万円 | 250万円 |
50歳代 | 1,048万円 | 53万円 | 1,253万円 | 350万円 |
60歳代 | 1,388万円 | 300万円 | 1,819万円 | 700万円 |
70歳代 | 1,433万円 | 485万円 | 1,905万円 | 800万円 |
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(単身世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(二人以上世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
老後に求められる貯蓄額
「老後に2,000万円が必要」という議論が一時期盛んになりました。多くの人が老後の資金不足について不安を感じているでしょう。60歳以上で必要な老後の資金は、各個人の状況によって異なりますが、単身者では1,000万円、夫婦では2,000万円が一つの指標となるでしょう。
38歳貯蓄300万円の場合の老後資金準備
現在、38歳で貯蓄300万円の場合、60歳まで月にどの程度貯金が必要か試算してみましょう。
38歳独身(単身)の場合
独身の場合、60歳までに必要な老後資金を1,000万円とすると、不足額は700万円。均等額貯金していくとすると、60歳までの22年間で年31.8万円、月2.7万円の貯蓄が目安になります。
38歳2人世帯の場合
夫婦2人世帯の場合、60歳までに必要な老後資金を2,000万円とすると、不足額は1700万円。均等額貯金していくとすると、60歳までの22年間で年77.3万円、月6.4万円の貯蓄が目安になります。
38歳で300万円の貯金、それが老後資金にどう影響するか
上記の数値は理想的なもので、将来の収入や支出、インフレなどを見越すと、更に貯金を増やす、あるいは60歳を超えても働き続けて収入を得ることが求められるかもしれません。
貯蓄を増やす一つの方法として、単に節約して貯金を増やすだけでなく、投資を活用して資産を増やすことも考慮に入れてみてください。ただし、投資はリスクも伴うので、注意深く行うことが必要です。
以上が、38歳で300万円の貯金を持つあなたが、どれくらいの貯金が老後に必要となるかについての見解です。この記事が皆さんの資産計画に役立つことを願っています。