あなたが持っている貯金が他人と比べてどれくらいなのか、また、老後の財源についての不安感はありませんか?51歳という時期になると、自分の財務状態について真剣に見つめ直す人が多いかもしれません。そこで、今回私たちは「51歳での貯金800万円は適切?それとも不足?」という問題に焦点を当ててみます。
51歳での貯金800万円は少ないのか?平均はどれくらい?
51歳の時点での平均貯金額を確認してみましょう。ただし、これは「平均」なので、貯金額は生活スタイル、給料、負債の有無、地域、目標といった多種多様な要素によって決まることを忘れてはいけません。
51歳で単身(独身)である場合
金融広報中央委員会の調査により、50代の単身者(独身)の平均貯蓄額は1,048万円と報告されています。これを基準にすると、貯金800万円は-248万円の差があり、これは平均値より少ないと評価できます。
中央値との比較
だが、平均値は極端に貯蓄が多い一部の人々に引き上げられ、偏りが生じます。現実的な視点からは中央値が53万円となっています。この数値を基にすると、貯金800万円は747万円の差となり、平均値より多いと判断できます。
51歳で2人以上の世帯のケース
金融広報中央委員会の調査によると、50代の2人以上の世帯の平均貯金額は1,253万円となっています。この数値を基準にすると、貯金800万円の差額は-453万円となり、これを中央値より少ないとみなすことができます。
中央値と比べて
だが、平均値は一部の極めて高額な貯金を持つ個人による影響を受けやすいです。実情をより反映する中央値は350万円となっています。この値を基準にすると、貯金800万円の差額は450万円となり、これを中央値より多いと評価できます。
年代別の平均貯金額
それではさらに広い視野で、日本の年代別平均貯金額を見てみましょう。
世帯 | 独身世帯 | 二人以上世帯 | ||
---|---|---|---|---|
平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | |
全国 | 871万円 | 100万円 | 1,291万円 | 400万円 |
20歳代 | 176万円 | 20万円 | 214万円 | 44万円 |
30歳代 | 494万円 | 75万円 | 526万円 | 200万円 |
40歳代 | 657万円 | 53万円 | 825万円 | 250万円 |
50歳代 | 1,048万円 | 53万円 | 1,253万円 | 350万円 |
60歳代 | 1,388万円 | 300万円 | 1,819万円 | 700万円 |
70歳代 | 1,433万円 | 485万円 | 1,905万円 | 800万円 |
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(単身世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(二人以上世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
老後に求められる貯蓄額
「老後に2,000万円が必要」という議論が一時期盛んになりました。多くの人が老後の資金不足について不安を感じているでしょう。60歳以上で必要な老後の資金は、各個人の状況によって異なりますが、単身者では1,000万円、夫婦では2,000万円が一つの指標となるでしょう。
51歳で800万円を持っている場合の老後の資金計画
現在、51歳で800万円を蓄えている場合、60歳までに必要な貯蓄額を見積もりましょう。
51歳で独身(単身)の場合
もし独身の場合、60歳までに必要とされる老後資金は約1,000万円とします。これによると、不足する金額は200万円です。この金額を等分して蓄えていくとすれば、60歳までの9年間で年に22.2万円、月に1.9万円の貯蓄が目安となります。
51歳で2人世帯の場合
2人世帯の場合、60歳までに必要とされる老後資金は約2,000万円とします。この場合、不足額は1200万円となります。この金額を等分して蓄えていくとすれば、60歳までの9年間で年に133.3万円、月に11.1万円の貯蓄が目安となります。
51歳で貯金800万円、その老後資金の視点
ここまでの数字はあくまで理想的なもので、将来の収入や支出、インフレなどを考慮に入れると、もっと貯蓄を増やすか、60歳を超えても仕事を続けて収入を得ることが求められるかもしれません。
貯蓄を増やすための策として、ただ貯金を蓄えるだけでなく、投資を通じて資産を拡大することも考慮すべきです。しかし、投資はリスクも伴いますので、慎重に行うべきです。
以上が51歳で貯金800万円のあなたが考慮すべき老後の貯金の量についての解説です。これが皆さんの資産計画の参考になれば幸いです。