自身の貯金が他人と比べて多いのか、少ないのか気になることはありませんか?あるいは、老後の生活資金について不安を感じることは?52歳という年齢になると、自分の財務状況について深く思い悩む人も多いかもしれません。今回は、「52歳の貯金400万円は足りているのか、それとも足りないのか?」というテーマについて見ていきたいと思います。
52歳での貯金400万円は少ないのか?平均はどれくらい?
52歳の時点での平均貯金額を確認してみましょう。ただし、これは「平均」なので、貯金額は生活スタイル、給料、負債の有無、地域、目標といった多種多様な要素によって決まることを忘れてはいけません。
52歳独身(単身)の場合
金融広報中央委員会の調査によれば、50代単身(独身)の貯金平均値は1,048万円とされています。この数字を基準に考えると、貯金400万円との差額は-648万円となり、平均値より少ないと言えます。
中央値と比べると
しかし、平均値は一部の極端に貯蓄が多い個人に影響を受けて多い方に偏ってしまいます。より実態がつかみやすい中央値は53万とされています。この数字を基準に考えると、貯金400万円との差額は347万円となり、平均値より多いと言えます。
52歳で二人以上の家庭の場合
金融広報中央委員会の調査により、50代の二人以上の世帯の平均貯金額が1,253万円となっています。これを基準にすれば、貯金400万円は-853万円の差があり、それは中央値より少ないと評価できます。
中央値と比較すると
しかし、平均値は一部の非常に貯蓄額の多い人々の影響を受けているため、偏りが生じてしまいます。現実に近い指標とされる中央値は350万円とされています。この値を基準にすると、貯金400万円の差額は50万円となり、それは中央値より多いと言えます。
年代別の平均貯金額
それではさらに広い視野で、日本の年代別平均貯金額を見てみましょう。
世帯 | 独身世帯 | 二人以上世帯 | ||
---|---|---|---|---|
平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | |
全国 | 871万円 | 100万円 | 1,291万円 | 400万円 |
20歳代 | 176万円 | 20万円 | 214万円 | 44万円 |
30歳代 | 494万円 | 75万円 | 526万円 | 200万円 |
40歳代 | 657万円 | 53万円 | 825万円 | 250万円 |
50歳代 | 1,048万円 | 53万円 | 1,253万円 | 350万円 |
60歳代 | 1,388万円 | 300万円 | 1,819万円 | 700万円 |
70歳代 | 1,433万円 | 485万円 | 1,905万円 | 800万円 |
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(単身世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
引用:金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)(二人以上世帯調査)|各種分類別データ(令和4年)
老後の資金として準備すべき貯金額
以前、「老後には2,000万円が必要」という問題が注目されました。老後の資金準備について不安を感じる方は多いかと思います。60歳以降に必要とされる資金は様々な要素によって変動しますが、単身者であれば1,000万円、夫婦であれば2,000万円が目安と考えられます。
52歳で400万円貯金している場合の老後資金の準備
現在、52歳で400万円を所有しているとした場合、60歳までに必要となる貯金額を計算してみましょう。
52歳で独身(単身)のケース
独身者の場合、60歳までに必要とされる老後資金はおおよそ1,000万円です。この目標から見ると、不足金額は600万円となります。この金額を均等に貯蓄すると考えた場合、60歳までの8年間で年に75万円、月に6.3万円の貯金が必要となります。
52歳で2人世帯のケース
2人世帯の場合、60歳までに必要とされる老後資金は大体2,000万円とされています。この目標から見ると、不足金額は1600万円となります。この金額を均等に貯蓄すると考えた場合、60歳までの8年間で年に200万円、月に16.7万円の貯金が必要となります。
52歳で貯金400万円、その老後資金の視点
ここまでの数字はあくまで理想的なもので、将来の収入や支出、インフレなどを考慮に入れると、もっと貯蓄を増やすか、60歳を超えても仕事を続けて収入を得ることが求められるかもしれません。
貯蓄を増やすための策として、ただ貯金を蓄えるだけでなく、投資を通じて資産を拡大することも考慮すべきです。しかし、投資はリスクも伴いますので、慎重に行うべきです。
以上が52歳で貯金400万円のあなたが考慮すべき老後の貯金の量についての解説です。これが皆さんの資産計画の参考になれば幸いです。