自分の貯金が他の人と比べて多いのか少ないのか、気になったことはありませんか？また、老後の資金について心配になることはありませんか？60歳の時期に、自分の財政状況について真剣に考えることが増えるかもしれません。そこで今回、私たちは「60歳での貯金950万円は十分か、それとも不十分か？」という問題について考察します。
60歳で950万円の貯金は少ない？それとも平均的？
まず、60歳の平均的な貯金額を確認してみましょう。しかし、これはあくまでも「平均」です。貯金額は生活習慣、収入、負債の有無、地方差、個々の貯金目標など、さまざまな要素により変動します。
60歳で単身（独身）の状況
金融広報中央委員会の調査に基づくと、60代単身（独身）の平均貯金額は1,388万円です。この数値を参照すると、貯金950万円の差は-438万円であり、それは平均値より少ないという評価に繋がります。
中央値との比較
ただし、平均値は一部の貯金額が非常に多い人によって大きく影響されることがあります。それに対して、よりリアルな指標である中央値は300万円です。この指標を参照すると、貯金950万円は650万円の差となり、これは平均値より多いと評価されます。
60歳で2人以上の世帯の場合
金融広報中央委員会の調査によれば、60代2人以上の世帯の平均貯金額は1,819万円です。これを基準にみると、貯金950万円の差額は-869万円となり、それを中央値より少ないと判断することができます。
中央値を見ると
しかし、平均値は一部の極端に高額な貯金を持つ人々によって影響を受け、偏ってしまうことがあります。より現実的な数値である中央値は700万円となっています。この数値を基準にすると、貯金950万円の差額は250万円となり、それは中央値より多いと言えます。
年代別の平均貯金額
それではさらに広い視野で、日本の年代別平均貯金額を見てみましょう。
| 世帯 | 独身世帯 | 二人以上世帯 | ||
|---|---|---|---|---|
| 平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | |
| 全国 | 871万円 | 100万円 | 1,291万円 | 400万円 |
| 20歳代 | 176万円 | 20万円 | 214万円 | 44万円 |
| 30歳代 | 494万円 | 75万円 | 526万円 | 200万円 |
| 40歳代 | 657万円 | 53万円 | 825万円 | 250万円 |
| 50歳代 | 1,048万円 | 53万円 | 1,253万円 | 350万円 |
| 60歳代 | 1,388万円 | 300万円 | 1,819万円 | 700万円 |
| 70歳代 | 1,433万円 | 485万円 | 1,905万円 | 800万円 |
引用：金融資産保有額（金融資産を保有していない世帯を含む）（単身世帯調査）｜各種分類別データ（令和4年）
引用：金融資産保有額（金融資産を保有していない世帯を含む）（二人以上世帯調査）｜各種分類別データ（令和4年）
老後に求められる貯蓄額
「老後に2,000万円が必要」という議論が一時期盛んになりました。多くの人が老後の資金不足について不安を感じているでしょう。60歳以上で必要な老後の資金は、各個人の状況によって異なりますが、単身者では1,000万円、夫婦では2,000万円が一つの指標となるでしょう。